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株式会社 At Marvelousアットマーベラス

コラム

アパレルOEMとは?依頼の流れと小ロットの注意点を作り手が解説

アパレルOEMとは、自社ブランドの服の製造を外部のメーカーや工場に任せる仕組みです。ODMとの違い、相談から納品までの流れ、小ロットで頼むと単価が上がる理由と小さく始める工夫、海外工場で作るときの注意点、OEM先の選び方を、3ブランドを企画・製造している立場から解説します。

「自分のブランドの服を作りたい。でも工場とのやりとりも、生地の手配も、輸入の手続きも分からない」。アパレルOEMを調べ始める方の多くは、ここから出発していると思います。検索するとOEMメーカーがたくさん出てきますが、どこまで任せられて、自分は何を決めればいいのかは、案外どこにも書かれていません。

私たちは岐阜のアパレルメーカーで、メンズのAt Marvelous、レディースのBelle Ćie、トラベル雑貨のChime Tripの3ブランドを自社で企画し、海外の提携工場で製造・輸入しています。作った服は自社で13以上のECモールに出して売っています。この記事では、アパレルOEMとは何か、依頼の流れ、そして相談の多い小ロットでの作り方を、毎シーズン自分たちのブランドで同じ工程を回している立場から整理します。

アパレルOEMとは?

アパレルOEMとは、ブランドを持つ会社(依頼する側)が企画した服を、外部のメーカーや工場に製造を委託する仕組みです。OEMは「Original Equipment Manufacturing」の略で、製品にはメーカーではなく依頼した側のブランド名が付きます。

依頼する側のいちばんのメリットは、工場や生産ラインを自分で持たなくても、自社ブランドのオリジナル商品を開発できることです。一方で、デザインや仕様、数量、販売の計画は自分で決める必要があります。どこまでを自分で決めて、どこからを任せるかが、OEM先選びの出発点になります。

OEMとODMの違い

よく並べて語られるのがODMです。

  • OEM: 依頼する側がデザインや仕様を決め、製造を任せる形。企画の主導権は依頼する側にあります
  • ODM: 企画やデザインの段階からメーカー側が提案し、製造まで行う形。依頼する側は提案から選ぶことが多くなります

実際には、デザイン画だけ持ち込んで、素材選びやパターンはメーカーと相談しながら決める、というように両者の中間で進むことがほとんどです。

OEMメーカーと縫製工場の違い

OEMを頼む先には、大きく「OEMメーカー(OEM会社)」と「縫製工場」があります。縫製工場は、決まった仕様のものを縫って仕上げるところです。OEMメーカーは、その手前の企画・素材の手配・パターン・サンプル、そして工場での生産管理までを一貫して受けます。

初めて自社ブランドを作る場合や、工場とのやりとりに慣れていない場合は、企画と生産管理を挟んでくれるOEMメーカーに頼むほうが進めやすいです。

アパレルOEMの流れ — 相談から納品まで

当社が自社ブランドで回している流れに沿うと、アパレルOEMはおおむね次の順で進みます。

  1. 企画・デザインの相談: 作りたいアイテム、売る場所、価格帯を決めます。ここで素材の方向性とデザインのイメージを詰めます
  2. 素材選び: 生地や付属(ボタン・ファスナーなど)を選びます。風合いだけでなく、価格や手に入る量も確かめます
  3. パターン作成: デザインを型紙に起こします。サイズ展開もここで決めます
  4. サンプル製作と修正: サンプルを作り、形・サイズ感・素材感を確かめます。仕様が固まるまで修正を繰り返します
  5. 量産(生産管理): 仕様が決まったら工場で量産します。仕様どおりに進んでいるかを途中で確認します
  6. 輸入・納品: 海外の工場で作った場合は、輸入の手続きを経て日本に届きます

時間がかかりやすいのは、4のサンプルと修正です。ここで仕様を詰め切らずに量産に進むと、届いた商品が思っていたものと違う、ということが起きます。逆に言えば、サンプルの段階でどれだけ具体的に確かめられるかが、OEMの品質を大きく左右します。

小ロットでアパレルOEMを頼むときに知っておくこと

「まずは少ない枚数で試したい」というご相談はとても多いです。小ロットで作ること自体はできますが、知っておくと判断しやすくなることがいくつかあります。

なぜロットに下限があるのか

アパレルOEMでロット(最低発注数)に下限があるのは、主に次の理由です。

  • 生地や付属の発注単位: 生地は反(ロール)単位、付属も一定数単位で仕入れることが多く、少しだけ買うことが難しい
  • 裁断や縫製の段取り: 型紙を合わせて裁断し、縫製ラインを組むまでの準備は、枚数が少なくても同じだけかかる
  • 染めや加工の単位: 色を染める、プリントするといった工程にも、一度に処理する単位がある

下限の数は、アイテム・素材・工場によって大きく変わります。同じメーカーでも、既存の生地を使うか、色を新しく染めるかで変わることがあります。

小ロットだと単価が上がる理由

上の準備にかかる手間や費用は、作る枚数で割ることになります。枚数が少ないほど1着あたりのコストが増えるので、小ロットでは単価が上がりやすくなります。

ここで大事なのは、単価だけで判断しないことです。大きなロットで単価を下げても、売れ残ればそのぶんが在庫として残ります。私たち自身も、売れ行きを見ながら数量を決めることを大切にしています。小ロットは、単価が高い代わりに、売れ残りのリスクを小さくできる選択でもあります。

小さく始めるときの工夫

小ロットでも条件を整えやすくするには、次のような工夫があります。

  • 色数とサイズ展開を絞る: 1型あたりの色・サイズを減らすと、1つの組み合わせあたりの枚数を確保しやすくなります
  • 既存の生地や付属を使う: 新しく染める・作るより、すでにある素材を選ぶほうが下限が低くなりやすいです
  • 追加生産を前提にする: 最初は少なく作り、売れ行きを見てから追加する計画にしておくと、型紙やサンプルを無駄にしません

海外の工場で作るときに気をつけること

アパレルOEMでは、中国をはじめ海外の工場で製造するケースが多くあります。費用面の利点がある一方で、次の点には注意が必要です。

  • 納期に余裕を持つ: 製造に加えて輸送と輸入の手続きに時間がかかります。現地の大型連休の前後は特に混みやすくなります
  • 仕様を言葉と数字で残す: 「いい感じに」は伝わりません。寸法・素材・色・縫い方を仕様書とサンプルで確定させます
  • 検品の段取りを決める: 届いてから不良に気づくと、作り直しに時間がかかります。どの段階で誰が確認するかを先に決めておきます

工場とのやりとりや輸入の手配に慣れていない場合は、生産管理と輸入まで受けるOEMメーカーに任せると、この部分の負担をまとめて減らせます。

OEM先を選ぶときに見ておきたい4つの点

  1. どこまで任せられるか: 企画・パターン・サンプル・生産管理・輸入のうち、どこからどこまで受けているか
  2. 作りたいアイテムの実績があるか: ニット・カットソー・布帛・雑貨など、得意な分野はメーカーごとに違います
  3. サンプルの進め方: サンプルを何回まで作れるか、修正のやりとりはどう進むか
  4. 売る側の感覚を持っているか: 作った服がどこでどう売れるかを知っている相手だと、素材や仕様の相談がしやすくなります

OEM先は、1回きりの発注先というより、シーズンをまたいで付き合うパートナーです。4つ目は、当社が大事にしている点でもあります。自社でも13以上のECモールで服を売っているので、素材やサイズ展開を決めるときに、売り場での見え方や返品のされにくさといった小売の目線も、一緒に検討する論点としてご相談に乗れます。

よくある質問

Q. 最低ロットはどれくらいですか? アイテム・素材・加工・工場によって大きく変わるため、一律の数字はありません。当社でも、作りたいアイテムと数量、時期をお伺いしたうえで個別にお見積りしています。

Q. 個人でもアパレルOEMを頼めますか? 個人の方からの依頼を受けているメーカーもあります。条件はメーカーごとに違うので、作りたいアイテムのイメージと数量、予算を整理してから相談すると話が進みやすいです。

Q. サンプルだけ作ることはできますか? 多くのメーカーで、量産の前にサンプルを作ります。サンプルの費用や回数の扱いはメーカーによって違うので、最初に確認しておくと安心です。

Q. 相談から納品まで、どのくらいかかりますか? アイテムやサンプルの回数、製造する国によって大きく変わります。売りたい時期から逆算して、早めに相談することをおすすめします。

まとめ — 作りたい服のイメージから相談を

アパレルOEMは、工場を持たなくても自社ブランドの服を作れる仕組みです。うまく進めるコツは、どこまでを自分で決めて、どこからを任せるかを最初に整理すること。小ロットで始める場合は、単価だけでなく、売れ残りのリスクとの釣り合いで数量を決めることです。

当社では、企画・デザインのご相談から、パターン・サンプル、海外提携工場での生産管理、輸入までのアパレルOEM・別注製造をお受けしています。作ったあとの保管や出荷はEC発送代行・物販代行でもご相談いただけます。作りたいアイテムのイメージ、おおよその数量、ほしい時期をお問い合わせからお聞かせください。