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株式会社 At Marvelousアットマーベラス

コラム

EC発送代行とは?仕組みと1日の出荷の流れ、頼む前に決めておく5つのこと

EC発送代行とは、ECサイトやモールの注文に合わせた保管・ピッキング・梱包・発送を外部の倉庫に任せる仕組みです。注文が入ってから荷物が出るまでの流れ、在庫連携と受注データのやりとり、メリットとデメリット、頼む前に決めておく5つのことを、自社で毎日出荷している倉庫の立場から解説します。

ECの注文が増えてくると、どこかで「出荷を外に出すかどうか」を考える時期が来ます。梱包と発送に毎日何時間も取られて、商品づくりや売り場づくりに手が回らない。かといって、EC発送代行に任せたあと自社の業務が実際にどう変わるのかは、外から見ているだけでは分かりにくいものです。

私たちは岐阜で自社ブランドの服を企画し、13以上のECモールで売りながら、自社のデリバリーセンターから毎日出荷しています。2026年からは、他社のアパレルブランドの在庫もお預かりして出荷しています。この記事では、EC発送代行とは何かを、出荷している側の倉庫の中で注文がどう流れているかを軸に整理します。

料金の相場や業者の比べ方は、姉妹記事のアパレル物流代行・発送代行の料金相場と選び方で詳しく書いています。この記事では、その手前の「仕組み」と「頼む前に決めておくこと」に絞ります。

EC発送代行とは?ECの出荷業務を外に任せる仕組み

EC発送代行とは、ECサイトやモールで受けた注文に合わせて、商品の保管・ピッキング・梱包・発送を外部の倉庫に委託するアウトソーシングのことです。事業者は在庫を倉庫に預け、注文データを倉庫に渡します。倉庫はそのデータをもとに商品を棚から取り出し、梱包して送り状を貼り、配送会社に引き渡します。

自社で出荷している場合と比べると、変わるのは「誰が手を動かすか」だけではありません。出荷の締め時間、在庫の数え方、返品の受け方など、業務のルールの一部が倉庫側の仕組みに合わせて決まるようになります。ここを最初に理解しておくと、導入後の「思っていたのと違う」がかなり減ります。

発送代行・物流代行・物販代行の違い

似た言葉が多いので、ここで整理しておきます。

  • 発送代行: 出荷作業(ピッキング・梱包・送り状・配送の引き渡し)が中心。実際には保管や在庫管理まで含めて受けている業者がほとんどです
  • 物流代行: 入荷・検品・保管・在庫管理・出荷・返品まで、倉庫の機能をまとめて任せる形。発送代行より範囲が広い言い方です
  • 物販代行: 出荷に加えて、モールへの出品や販売そのものまで任せる形。倉庫に「売り場」が付いているイメージです

EC発送代行と物流代行の境目は業者ごとに違うので、言葉よりどの工程まで頼めるかで比べるのが確実です。

小ロットや立ち上げ期でも頼めるのか

業者によって、月の最低出荷件数や最低保管量の条件があります。出荷が少ない立ち上げ期は、固定費(最低料金や基本料)が割高に見えやすいので、月の出荷件数とSKU数をおおまかにでも数えてから相談すると、話が早く進みます。小ロットでも受けている業者はありますが、条件は業者ごとにかなり違います。

EC発送代行の仕組み — 注文が入ってから荷物が出るまで

当社の倉庫を例に、注文が入ってから荷物が出るまでを並べると、次のようになります。

  1. 入荷・検品: 預かった商品をJANコードで1点ずつ照合して入荷し、縫製不良や汚れ、タグ抜けを目で確かめます
  2. 保管: カラー・サイズ別に棚へ保管し、在庫数をモールと連携します
  3. 受注の取り込み: 各モールの注文を受注管理システムに集めます
  4. 出荷指示: その便で出す注文を確定し、納品書と送り状を発行します
  5. ピッキング・梱包: 納品書を見ながら棚から商品を取り出し、梱包します
  6. 発送: 送り状を貼り、配送会社に引き渡します
  7. 報告・精算: 出荷実績と保管・出荷の費用を月ごとにまとめます

在庫連携と受注データのやりとり

EC発送代行でいちばんトラブルが起きやすいのは、倉庫の作業そのものよりデータの受け渡しです。

当社では受注管理システム(ネクストエンジン)で複数モールの注文を1か所に集め、在庫を同期しています。発送代行を頼む側から見ると、「注文データをどの形で倉庫に渡すか」「倉庫の在庫数をどのタイミングでモールに戻すか」の2つを決める必要があります。APIでつながる場合もあれば、CSVを決まった時刻にやりとりする場合もあります。

ここが曖昧なまま始めると、倉庫には在庫があるのにモールでは売り切れ表示になっている、あるいはその逆、といったズレが起きます。システムの連携方法は、料金と同じくらい重要な比較のポイントです。

出荷の締め時間と便

倉庫の出荷は、1日の中でいくつかの「便」に分かれています。当社も1日に複数の便を出しており、その便の締め時間までに確定した注文がその日のうちに出ていきます。配送方法は、商品の大きさに合わせて複数の配送会社・サービスを使い分けています。

締め時間はそのままお客さまへの「最短お届け日」の約束に効きます。モールの配送日の表示と、倉庫の締め時間がずれていないかは、契約の前に必ず確認したいところです。

ちなみに、この出荷指示の作業は当社でも長く手作業で、1便あたり1時間近くかかっていました。手順を13に分解して自動化した経緯は受注管理システムを入れても出荷作業は自動化されないにまとめています。

EC発送代行のメリットとデメリット

メリットデメリット
時間と人梱包・発送の負担が減り、その時間を商品づくりや販促に回せる倉庫とのやりとり(入荷の連絡・問い合わせ対応)は残る
コスト出荷量の波に合わせて費用が動き、人を増やす固定費を抑えやすい出荷が少ない時期は、最低料金で割高になりやすい
品質検品や梱包の手順が決まっていて、ミスの出方が安定するラッピングや同梱物など、細かな対応はオプション扱いになりやすい
スピード出荷の締め時間が決まり、お届け日を約束しやすい締め時間の後の注文は翌便に回るなど、柔軟さは下がる
在庫保管場所と在庫管理を外に出せる自社で現物をすぐ確認できなくなる

デメリットの多くは、最初に決めておけば小さくできるものです。次の5つを、相談の前に一度書き出しておくことをおすすめします。

EC発送代行を頼む前に決めておく5つのこと

① どの工程まで任せるか

出荷だけなのか、入荷・検品から返品の受け付けまでなのか。ささげ(撮影・採寸・原稿)まで含めるのか。範囲で費用も体制も変わります。ささげ業務の内製と外注の考え方はささげ業務とは?内製と外注の判断で書いています。

② 在庫と受注のデータをどう渡すか

受注管理システムを使っているか、モールごとに注文を見ているか。倉庫とAPIでつなぐのか、CSVでやりとりするのか。在庫数をどのタイミングでモールに戻すのか。ここは自社の担当者と倉庫の担当者が同じ図を見ながら決めるのが確実です。

③ 出荷の締め時間と配送方法

何時までの注文を当日出荷にしたいか。メール便サイズの商品が多いか、宅配便が多いか。モールのお届け日表示と合わせて決めます。

④ 返品・交換の流れ

アパレルではサイズ交換が一定数起きます。返品された商品を誰が検品して、どの状態なら在庫に戻すのか。交換品の出荷を誰が指示するのか。ここが決まっていないと、問い合わせ対応が自社に戻ってきます。

⑤ 費用の項目

EC発送代行の料金は、主に保管料・入庫料(検品料)・出荷料(ピッキング・梱包)・梱包資材費・配送料の組み合わせです。見積もりを比べるときは、合計額だけでなく、どの作業がどの項目に入っているかを並べて見るのが大切です。項目ごとの相場は料金相場の記事で、出典付きでまとめています。

売り場ごと任せる「物販代行」という選択肢

一般的な発送代行は、注文が入った商品を送り出すところまでです。一方で、「在庫はあるのに売り場が足りない」という悩みを持つブランドも少なくありません。

当社はもともと自社ブランドを売るためにECモールと倉庫を運営してきたので、出品・在庫連携・受注処理・出荷を同じ仕組みの中で回せます。2026年からは他社のアパレルブランドの在庫をお預かりし、当社が運営するモールでの販売から、出荷、月次の精算までを代行しています。

出荷だけを任せたいのか、売り場ごと任せたいのか。どちらが合うかは、扱う商品と今の販路によって変わります。

よくある質問

Q. EC発送代行の料金はいくらくらいですか? 保管料・入庫料・出荷料・資材費などを、商品のサイズと出荷量に合わせて見積もるのが一般的です。たとえば同じ月1,000件の出荷でも、商品の大きさや検品の手間で大きく変わります。

Q. 小ロットでも頼めますか? 業者によって最低出荷件数や最低料金の条件があります。出荷が少ない時期は割高になりやすいので、月の出荷件数とSKU数を伝えて見積もりを取るのが確実です。

Q. 個人でも発送代行を使えますか? 個人の方向けのサービスもありますが、事業者向けの倉庫は法人との契約を前提にしていることが多いです。当社はアパレル・服飾雑貨を扱う事業者さまからのご相談を中心にお受けしています。

Q. 自社発送から切り替えるタイミングは? 梱包・発送に毎日何時間も取られるようになった時、繁忙期だけ人を増やすのが難しくなった時が、検討の目安になります。切り替えの判断ラインは料金相場の記事の後半でも整理しています。

まとめ — まずは出荷量と任せたい範囲から

EC発送代行は、出荷作業の効率化だけでなく、在庫と受注のデータの流れを倉庫と一緒に組み直すことでもあります。頼む前に、任せる範囲・データの渡し方・締め時間・返品の流れ・費用の項目の5つを書き出しておくと、見積もりの比較も、導入後の運用もずっと楽になります。

当社では、アパレルのEC発送代行・物販代行をお受けしています。扱う商品・SKU数・月の出荷件数・任せたい範囲をお聞かせいただければ、進め方とお見積りの目安をお返しします。ご相談はお問い合わせからどうぞ。